教員立教大学大学院 人工知能科学研究科

教員紹介

内山 泰伸 教授(研究科委員長)

東京大学大学院理学研究科物理学専攻で博士(理学)の学位を取得。SLAC国立加速器研究所Panofsky Fellowを経て、2013年に立教大学理学部物理学科に着任し、高エネルギー天文学の研究室を主宰。日本天文学会第21回研究奨励賞受賞、第5回宇宙科学奨励賞受賞。2018年、先端テクノロジーのベンチャー株式会社ギャラクシーズを起業。

主要研究テーマ:高エネルギー天文学、応用人工知能
高エネルギー天文学の研究、特に宇宙線の起源の解明や、ブラックホールが駆動する相対論的ジェットの研究を行っている。応用人工知能の分野では、ソーシャルVR・ハイパーリアリティの研究開発、スポーツテックやリテールテックの推進などに取り組んでいる。また、企業との共同研究でデータサイエンスのプロジェクトを推進している。

大西 立顕 教授

2001年東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。2004年同大学院新領域創成科学研究科博士課程修了。博士(科学)。2004年同大学院法学政治学研究科助手、2007年同研究科助教、2009年キヤノングローバル戦略研究所研究員、2012年同研究所主任研究員、2013年東京大学大学院情報理工学系研究科准教授を経て2020年より現職。

主要研究テーマ:経済・社会・生命現象のビッグデータ解析
データ科学、機械学習、社会・経済物理学、ネットワーク科学、超並列計算の手法を用いて店舗・施設・人の地理空間情報、金融市場・脳波・人間行動の時系列、TV・ニュース・ウェブのテキストデータ、市場間相関・取引関係・共起関係ネットワークなどのビッグデータを実証科学の視点から解析することで、価値ある新たな知見の創出を目指した研究を行っている。

韓 先花 教授

2005年琉球大学大学院理工学研究科博士課程修了、博士(工学)取得。中国中南林業科技大学講師、立命館大学研究員・研究准教授、産業技術総合研究所主任研究員、山口大学准教授を経て2023年より現職。

主要研究テーマ:汎用性の高い解釈型深層学習及び知能視覚情報処理に関する研究
機械(計算機)に高い知能(人間のような学習能力・適応能力)を持たせ、人間の視覚や脳を工学的に模倣できるような高い人工知能システムの創出を目標としている。特に、脳の認知(情報処理)機能に極めて重要である脳内注意機構や今まで蓄積された情報処理の数理モデルをAI深層学習に取り入れ、様々な知能視覚情報処理タスクにおける予測に判別的な特徴、因子・パターンを特定し、効率的に学習可能な高汎用性且つ解釈型深層モデルの開発に注力している。また、機械学習の基盤技術を開発するとともに、画像認識・理解、超解像度、知能化ハイパースペクトル計測技術、知能化医療診断・治療支援システムなどの幅広い応用研究を行っている。

正田 備也 教授

東京大学理科Ⅰ類に入学、理学系研究科情報科学専攻と総合文化研究科広域科学専攻科学史・科学哲学研究室とで修士修了。光学メーカに勤務後、東京大学大学院情報理工学系研究科で博士号取得。長崎大学での13年の教員生活を経て現在に至る。

主要研究テーマ:確率モデルによるテキストマイニング
機械学習を使ったデータ分析、特に、言語モデルを用いたテキスト分析に関心がある。従来ならトピックモデルなどの機械学習モデルを使っていた場面で、LLMを含む深層学習モデルによるテキスト埋め込みを利用しつつ、学術情報をはじめとする多種多様なテキストデータを分析し、テキスト集合の情報源としての価値を高める研究を進めている。

村上 祐子 教授

立教大学大学院人工知能研究科・文学部教授。Ph.D. (Indiana University, Philosophy)。国立情報学研究所、東北大学理学部・文学部、立教大学理学部を経て現職。

主要研究テーマ:人工知能の哲学・倫理
人工知能の哲学:既存の哲学理論が人工知能研究に及ぼしてきた影響と、人工知能開発が哲学理論に及ぼす影響の両方の側面が考えられるが、現在関心があるのは後者である。AIの人格や責任問題のように、いままで自然人を前提に考えられてきた哲学理論の適用限界が明らかになってきた。どこまで既存理論を適用できるのか、適用できない部分について概念を改訂するとしたらどうすべきなのか、極力既存部分に影響しない形にしたいという方向性を守れるとしたら、どういう概念改訂なのか?を考えている。ほか、哲学・論理学の歴史や情報教育の研究も進めている。

瀧 雅人 准教授

2004年東京大学理学部物理学科卒業。2009年東京大学大学院理学系研究科物理学専攻修了。2009年から2012年まで京都大学基礎物理学研究所博士研究員。その後、理化学研究所 基礎科学特別研究員、数理創造プログラム(iTHEMS)上級研究員を経て現職。

主要研究テーマ:深層学習の仕組みの研究と、科学・産業への実務的応用
深層学習の基礎研究を通じて、その成功の背後にあるメカニズムを明らかにし、より良い手法へ改善することを目指している。例えば、より説明性の高い深層学習アーキテクチャをデザインすることでデータから科学的な知識を抽出したり、あるいは敵対的事例などの深層学習の未解明な部分の研究を行っている。また、深層学習を使って医療や神経科学などのサイエンスにおけるデータを分析したり、機械学習・深層学習を産業へ応用する社会実装なども行っている。

大庭 弘継 特任教授

専門は国際政治学、応用哲学・倫理学。京都大学経済学部中退。元海上自衛官(1等海尉)。博士(九州大学、比較社会文化)。南山大学社会倫理研究所講師、京都大学大学院文学研究科研究員を経て現職。

主要研究テーマ:社会課題としての《究極の選択》とAI
「犠牲が避けられないとき、誰から救うのか、少数を見捨ててよいのか、誰がどのように決めるのか」といった《究極の選択》が大きな研究テーマです。この難問は、感染症や自然災害、戦争や人道危機など様々な状況で生じています。急速に進歩するAIは、その解決に役立つ可能性もありますが、新たな難問も生み出します。現在は、こうした《究極の選択》を念頭に、AIを社会に調和させる方策を研究しています。

加藤 恒彦 特任教授

2001年大阪大学大学院理学研究科博士課程修了。博士(理学)。大阪大学、広島大学、国立天文台などを経て2023年より現職。国立天文台では天文ソフト「Mitaka」の開発を行う。2020年文部科学大臣表彰科学技術賞受賞。株式会社ギャラクシーズ リードリサーチャー。

主要研究テーマ:人工知能と物理学、仮想空間の融合
生成AIを用いて画像や観測データの欠損部分の補完や生成をする技術の研究を行っている。様々な物理現象の数値シミュレーションとそのAIによる高速化・効率化の研究にも取り組んでいる。さらに、シミュレーションデータの物理学に基づく可視化や仮想空間での体験に関する研究を進めている。複数の画像から3次元形状を構築するAI技術にも関心を持ち、天文シミュレーションソフトウェアの開発や研究、及びその教育への応用にも力を入れている。

三宅 陽一郎 特任教授

株式会社スクウェア・エニックス AI部ジェネラルジャー・マネージャー。博士(工学)。

主要研究テーマ:デジタルゲームにおける人工知能、メタバース、スマートシティ
デジタルゲームにおける人工知能を研究している。エージェントモデル、意思決定、ゲーム全体をコントロールするメタAI、ビヘイビア・戦略の学習などである。さらにゲームAI技術を応用したスマートシティ、メタバースの研究を進めている。また心身を持つフルセットの人工知能開発には、それを支える強固な哲学的足場が必要であり西洋、東洋哲学と人工知能の関わりを開拓している。さらに人工知能を広く社会に伝えるため、ボードゲームを用いたワークショップ形式の人工知能教育法をテーマとしている。

石川 真之介 特任准教授

2011年、東京大学大学院理学系研究科修了。理学博士。カリフォルニア大学バークレー校、JAXA 他での研究員を経て、2019年より株式会社豆蔵に入社。デジタル戦略支援事業部所属、AI-techチームリーダー。

主要研究テーマ:応用人工知能、生成AI活用
民間企業における課題解決を含めた社会のさまざまな場面でのAI活用の研究とともに、人がAIと協調していくための技術として、特にAIの説明性、解釈性に関する研究を行っている。テキスト生成モデルに対しては、結果と推論の妥当性を向上させる論理思考能力や、論理思考を超えた感性をテーマとして、評価方法や能力向上の方法について検討している。生成AIを、あいまいな入力と具体的・個別的な出力を結びつける仕組みであると捉え、人間に負荷をかけずに柔軟にタスクに対応できるようにすることを目指している。

浦川 伸一 客員教授

立教大学社会学部卒。日本アイ・ビー・エム株式会社を経て、SOMPOシステムズ株式会社代表取締役社長、SOMPOホールディングス株式会社常務執行役員、損害保険ジャパン株式会社取締役専務執行役員CIOなどを歴任。2023年4月より損害保険ジャパン株式会社顧問およびSOMPOシステムズ会長。また、内閣府人間中心のAI社会原則会議構成員、内閣官房Trusted Web推進協議会委員、経団連デジタルエコノミー推進委員会企画部会長、一般社団法人システムイノベーションセンター代表理事センター長、JPドメイン名諮問委員会委員長などをつとめる。

主要研究テーマ:AIの社会実装に関する原則・倫理と開発実務
多数の金融機関での業務改革や基幹システム開発を通じ、ソフトウエアエンジニアリング、プロジェクトマネジメント、アーキテクチャ設計、開発標準、オープン技術などに着眼した理論と実践の両立を長年研究。近年は、①AIを用いたシステム開発における機械学習工学の高度化とプロジェクトマネジメントのインパクト研究、②業界横断のDXやAI活用の推進、③生成AIの利活用、④実践的AI人材の育成などに取り組んでいる。

前田 順一郎 客員教授

東京大学経済学部卒。マンチェスター大学MBA。公認会計士・税理士・行政書士。都市銀行勤務を経てあずさ監査法人に入所。金融機関の財務諸表監査やM&A、海外業務を担当。KPMGロサンゼルス事務所勤務を経験。その後、国土交通省航空局にて空港経営改革を推進。現在は日本公認会計士協会主任研究員、日本税務会計学会委員もつとめる。

主要研究テーマ:AI時代の金融・社会インフラ・社会システムのあり方
会計・金融の知識や中央官庁での政策立案の経験を活かして、我が国の技術革新を促進するために必要なあらゆることを模索しています。とりわけ①会計制度や金融システムの効率化推進にあたっての制度面や規制上の課題、②AI・ロボット化の時代における社会インフラ運営の官民連携のあり方、③我が国の技術革新を促す税・社会保障・統治機構システムのあり方についての研究を行っております。

アンドラーデ シルバ ダニエル ゲオルグ 客員准教授

ドイツにてパッサウ大学で情報科学(Diplom)修了後来日。東京大学大学院コンピュータ科学専攻博士課程修了。博士(情報理工学)。2011年から2021年までNEC中央研究所に所属。在職中に総合研究大学院大学複合科学研究科統計科学専攻博士課程修了。博士(統計科学)。2021年より広島大学AI・イノベーション 教育研究センター准教授。

主要研究テーマ:ベイズ統計に基づいた機械学習とデータ分析手法
過去にはテキストデータにおける分類、翻訳、意味理解に関して研究し、近年はベイズ統計に基づいたモデル選択と膨大な高次元のデータでも効率的な計算方法に取り組んでいる。医療現場からセキュリティ分野まで観測データをより効果的に利用し、診断やリスク解析を改善することが目標だ。

村上 隆夫 客員准教授

東京大学大学院情報理工学系研究科博士課程修了。博士(情報理工学)。日立製作所 研究員、産業技術総合研究所 研究員、同研究所 主任研究員を経て、2023年より統計数理研究所 准教授。2020年カリフォルニア大学サンディエゴ校客員研究員。専門分野はプライバシー保護、機械学習の安全性。

主要研究テーマ:プライバシー保護、機械学習の安全性
安心・安全なデータ解析や機械学習の実現に向けた研究を進めている。具体的には、ユーザのプライバシーとデータの有用性を両立するための新しい安全性指標・データ加工方法の研究や、機械学習システムに潜むセキュリティ・プライバシーのリスク評価の研究を行っている。また、2019年には位置情報の匿名加工・再識別コンテストPWS Cup2019の設計に中心的に取り組み、現在はソーシャルグラフのプライバシー保護にも取り組んでいる。

和田 伸一郎 教授

2004年 京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了
2007年~2011年 中部大学専任講師
2011年~2016年 中部大学准教授
2016年~2019年 立教大学社会学研究科准教授
2019年~現在 立教大学社会学研究科教授

主要研究テーマ:AI社会論、自然言語処理、AIと哲学
人間存在は情報環境の中でどのような在り様をしているのか現代哲学から考えた後、インターネットについて政治経済学、地政学的観点から考察してきた。現在、自然言語処理を使ってSNSビッグデータ分析を行うことによって、日本社会の構造的欠陥を明らかにすると同時に、ハードウェア、ソフトウェア、アルゴリズムといった技術的系列を、その構造的欠陥の改善に役立てるべくどのように外部挿入すればいいかというAI社会論を構想している。

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