税務行政のスマート化を目指して、AIの知識を組織に広げる人材に。
浦東 聡介さん 国家公務員
2022/05/05
在学生
A I 活用のために何ができるか「A I 」の本質を学びたい。
私が勤務する国税庁では、ICT・AIの進展、マイナンバー制度の導入、経済取引のグローバル化、調査・徴収の複雑・困難化といった環境変化の中で、今後とも納税者の皆様の理解と信頼を得て適正な申告・納税を確保していく必要があります。そのため、2017年6月に「税務行政の将来像~スマート化を目指して~」を公表し、ICT・AIの活用による、納税者の利便性の向上及び課税・徴収の効率化・高度化を、概ね10年後に目指すべき将来像として掲げました。その具体的取り組みの一つとして、AIによる調査・徴収事務の高度化があります。国税庁がAIを活用していくにあたり、「AIとはどのようなものなのか」「AIで何ができるのか」など、AIの本質を職員が理解してこそ、真に有用なAI活用が可能になると考えています。そのため、現在、人工知能科学研究科において、AI技術を修得するための基礎力を養成し、AIの社会実装について理解を深められるように学んでいます。
卒業はゴールではなくスタート。自身で学び続けるための基礎力を。
「機械学習」や「深層学習」の授業では単にプログラミングをするだけでなく、数学の数式を使いながら解説していただけるので「AIの仕組み」の本質を把握しながら理解できています。もともと私は文系出身。授業では参考論文なども多く紹介していただけるのですが、数式を見ただけではまだまだ内容の理解が及ばないのが現状です。まずは在学中に基礎を身につけて、自分で論文などの内容を理解できる、自力で勉強することができるようにすることが目下の目標です。また卒業後は、人工知能科学研究科で得た知識を個人の知識として留めることなく組織の知識として広げていきたいと考えております。そのためには、自分自身の研究の継続も不可欠。卒業はゴールではなく、長い道のりのスタートだと考えて、そのために必要な知識や技術を身につけていければと考えています。
※インタビューの内容は取材時点のものです。