人工知能を広い視野で捉え、未来の車づくりに役立てる。

笈木 大介さん 日産自動車株式会社勤務

2023/04/26

修了生

人工知能を理解することが自動車開発の鍵に。

例えば鉄板がほぼむき出しの車のドンガラの状態ですら、数千点の部品からできています。そこには安全性や乗り心地など様々な要件が詰まっていますが、部品数・要件数が多すぎるため、その数千分の一の部品を設計するにあたり「その部品が複数の性能にどの様に寄与するか?」を具体的に予測する事が難しく、経験値に頼っているところがありました。それら複雑な事象を素早く定量化的に解くヒントを求め、入学を決意しました。本研究科の魅力は、データサイエンスだけでなく、さらに広義である人工知能を打ち出しているところです。「統計」「Python」といった基礎的な勉強のほか、もちろん「機械学習」「深層学習」といったデータサイエンスとして重要な授業科目もあり深く真剣に取り組みますが、更に「脳神経科学特論」といった本物の脳のしくみを最先端の知見を交えて学べる講義まで幅広く学ぶことができます。人工知能について、現在の流行だけでなく将来的に活躍できる人材を意識したカリキュラムに沿って学べることは大きな魅力だと感じました。一方で、例え複雑な事象の解が人工知能で出せたとしても、その人工知能が導き出した判断結果の理由が分からないものは、商品に実装することはできません。そこで修士論文では、ある説明可能AIの判断根拠を数式的に検証する研究をしました。

卒業生たちとコラボし、人工知能のさらなる未来へ。

本研究科を修了して、現在は車体の設計者を離れて技術戦略を立てる部署で働いています。業務としては全く違う2つの仕事ですが、大量の情報を活用してどのように正しい答えを導き出すか。という点では同質で、本研究科で培ったデータの扱い方や数学などが活かせています。また、本研究科で身につけた人工知能に関する知見を、社内に広く還元することで自身のアウトプットだけでなく広範囲で勤務先に貢献できていると感じています。個人的な目標としては、車の「走る・止まる・曲がる」などの機能部分だけでなく、人と車とのコミュニケーションの部分も、人工知能を使ってより良くしていけたらと考えています。2023年4月に開設された人工知能研究科の研究センター(応用人工知能イノベーションセンター)では、卒業生たちが様々なコラボレーションをする場も用意されています。自分たちが研究したものを共有して、よりよくしていく。本研究科にはそんな文化がありますので、そんな方々と研究科を通して世界中の人々が快適な未来を作っていけたらと思っています。
※インタビューの内容は取材時点のものです。

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