2021/03/11 (THU)

【授業レポート】2020年度の「研究状況報告会」がおこなわれました

OBJECTIVE.

研究状況報告会レポート

人工知能科学研究科の2020年度の秋学期授業は2021年1月23日をもって終了しましたが、開設1年目を締めくくるイベントともいえる「研究状況報告会」が2021年2月25日~2月27日の3日間、オンラインで行われました。

本研究科では希望者は1年次から研究指導を受けることができます(「特別研究1・2」という選択科目を履修します)。「特別研究1・2」を履修した学生のうち46名が本報告会でプレゼンテーションにチャレンジしました。

プレゼンテーションは1期生と研究科の教員の前で行います。各自の持ち時間10分(発表8分+質疑応答2分)というかなり短い時間でスピーディかつコンパクトに発表していかなければなりません。報告会では、学生の投票による優秀発表賞を設けており、全発表を聴講した学生だけが、優秀発表賞選出の投票権が得られるということもあって、聴講する側も積極的に発表者に質問をした他、Zoomチャット上で発表を深堀りするコメントのやりとりや関連する情報の交換が行われるなど、熱心に参加している様子が感じられました。

本研究科は「自然科学のみならず、人文社会科学の分野において研究に新展開をもたらす人材」「AI技術の社会実装を指導的な立場で推進することができる人材」の育成を目標としていますので、学生の研究テーマも多岐に渡ります。

自然言語処理、ニューラルネットワーク、深層学習といった人工知能・データサイエンスの根幹技術に関わるテーマの発表だけでなく、株価や不動産価格、小売業の仕入といった経済分野への応用、Twitterや事件の関係者へのアンケート結果の分析といった社会学分野への応用、病院の自動問診や細胞核の画像解析といった医療分野での活用、スポーツやボードゲームの戦術への利用、デジタルゲームの仕組みの分析と実装といったテーマでの発表もありました。また、ゲームアプリやチャットボットの開発について発表する学生もいました。

本報告会は、各学生の研究の中間発表的な位置づけのものですが、現時点で既に学会発表につながったテーマを発表した学生もおります。

3日間にわたる報告会でしたが、3日目ともなると、だいぶ緊張感が和らいできたのか、学生同士の質疑応答がさらに活発になり、研究内容への質問だけにとどまらず、
「こういう視点で検討してみるといいかもしれないですよ。」
「別の要素も加えたシミュレーションを検討されましたか。」
「その研究はこういう課題の解決にも応用できそうですね。」
など、研究の改善や発展につながるような意見やアドバイスも多く寄せられました。

1期生同士の仲の良さがうかがえる楽しい雰囲気を感じつつ、本研究科らしい個性あふれるチャレンジングなプレゼンテーションに新たな風を感じることができたのではないでしょうか。

今回の報告会を通じて、他者の研究にも目を向けることで、関連分野の知識を得るきっかけにもなり、新たな気づきを得ることができた学生も多かったのではないかと思います。各自の研究テーマをさらに掘り下げ、精度を高めて、一定の成果を出せるような研究が進められることを期待しています。

  

人工知能科学研究科 専攻主任 大西立顕教授の所見コメント

    専攻主任 大西教授

実質的な研究活動は半年程度しかなかったにもかかわらず、既に研究成果の出ている発表もあり、真摯に研究に取り組んでいる学生が多いことを実感できた。どの発表に対しても、学生から質問が出て積極的な質疑応答が交わされ、学生間の議論・交流の良い機会になったと思う。研究テーマが斬新なものもあり、普段の授業だけからではうかがい知ることのできない、学生の強い個性を垣間見ることもできた。数人の学生に感想を聞いたところ「いろいろな分野の多彩なテーマについての話が聞け、非常に楽しかったし勉強になった」、「どんな研究テーマに対しても、様々な側面からの質疑応答があって面白かった」、「現実の実データを使った研究がたくさん聞けてよかった」、「入学当初は文系出身でプログラミングにも馴染みのなかった方が、深層学習を使いこなせるようになっていて驚いた」、「社会人学生の方から実務の現場からのコメントや質問がもらえて有益だった」という意見をもらった。人工知能・データサイエンスの研究は、対象とする分野としては自然科学もあれば人文・社会科学もあり、さらに、学術色の強い研究もあれば社会実装を指向した研究もあり非常に多岐にわたる。多様な側面から研究の具体例に触れることで、用いられる手法や考え方の共通点や相違点から気づきを得て、理解をさらに深めるだけでなく、一歩下った広い視野から自身の研究を多角的に捉え直す機会にもなったのではないかと思う。ビジネスや研究開発の現場で使用されているリアルなデータを企業から提供していただき、企業担当者のフィードバックを受けながら進めている研究もあり、すぐにでも実社会で活用できそうな研究テーマも多かった。本研究科の学生は出身学部が非常に多様であるだけでなく、社会人学生の割合も多く、その勤務先の業種も様々である。各学生一人一人が他の学生にはない強みを持っており、学生同士で互いに刺激し合い切磋琢磨できる環境にあることを再認識した。来年度は、修士論文やプロジェクトチーム実習に取り組むことになる。同じ一つの分野を専門とする同質な集団で構成される従来の大学・研究科では成しえないような、本研究科ならでは成果を出していってもらいたい。

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